電気ポットと電気ケトルは、似たような名前ですが、違いはご存知でしょうか。その違いは、電気ケトルは沸騰機能のみですが、電気ポットは沸騰と保温の両方が可能という点です。沸騰機能に特化している分、電気ケトルは沸騰時間を短く、電気代もお得にできます。
今回は、この電気ポットと電気ケトルの違いを比較してご紹介します。
1. 電気ポットの沸騰までの電気代
象印ポットCV-EX.R【 消費電力:700W】に1リットルの水を入れて、実際に計測してみたところ、沸騰するまでに約13分かかりました。これを元に計算すると、1リットルのお湯が沸くまでにかかる電気代は、約3.9円と判明しました。
0.7kWh × 25.91円× (13/60)時間 = 約3.9円
2. 電気ケトルの沸騰までの電気代
冒頭でご紹介した通り、電気ケトルは圧倒的に沸騰までの時間が早い一方で、使用中の消費電力は高い、という特徴があります。こちらも実際に、T-fal Tasse Type KO299 【消費電力: 1250W】に1ℓの水を入れて計測してみたところ、沸騰までに約5分かかりました。これを元に計算すると、1リットルのお湯が沸くまでにかかる電気代は、約2.7円と判明しました。
1.25kWh × 25.91円× (5/60)時間 = 約2.7円
3. 電気ポットと電気ケトルの電気代まとめ
以上の結果を表にまとめてみましょう。”沸騰”という点においては、電気代を時間も電気ケトルに軍配が上がりそうです。
沸騰時間(1ℓあたり) | 電気代 | |
電気ポット | 約13分 | 約3.9円 |
電気ケトル | 約5分 | 約2.7円 |
ただし、電気代が安いといっても、その差は1ℓあたり1.2円で、1日1回お湯を沸かしても月に36円しか変わりません。ほとんど気にしないで良い金額とも言えそうです。やはり、保温ができる電気ポットと、沸騰時間の短い電気ケトルと、どちらがライフスタイルに適しているかで、単純に選んだ方が良さそうです。
参考:電気ケトルと電気ポットの安全性の違い
まずは、電気ケトルについて。電気ケトルはやかんと同様にオープンな作りになっているため、ケトルに物ぶつけたり、手を滑らしたりして、ケトル本体を倒してしまうと、中の熱湯が飛散してしまい、火傷につながりやすくなります。
電気ケトルには、お湯をこぼれにくくする明確な基準はなく、その性能はメーカーの自主性に委ねられています。国内メーカーの電気ケトルは、独自に電気ポットと同様のレベルの安全装置を組み込んでいる製品もあります。例えば電気ケトルが転倒した場合でも、あふれる湯量を制限するなどの安全装置です。しかし、安全装置の多重化は電気ケトルのメリットである「手軽さ」を阻害することになりかねず、手軽さと安全性の両立は簡単ではありません。
一方、電気ポットは、各種安全装置が搭載されており、チャイルドロック機能やコンセントから伸びる電源コードに足を引っ掛けてポットを転倒させないように、接続部がマグネット式になっているなどの工夫がなされています。
安全性という点では「電気ポット」が一枚上手のようです。