夏が近づくと30度を超える日も多くなり、エアコンが大活躍!というご家庭も多いのではないでしょうか。気候の変化で突然やってくる暑さに向けてもエアコンの使用は欠かせませんよね。
そんなときに気になるのは「エアコンの電気代」!
エアコンには、部屋を涼しくする機能として「冷房」と「ドライ(除湿)」がありますが、「どっちがお得なの?」「この二つの機能の使い分けについていまいちよく分からない、、、」という方も多いのではないでしょうか。冷房は”涼しい・冷たい”、ドライは”湿気を取ってカラッとさせる”、そんなイメージをがありますが、この記事では、暑さを乗り切るために欠かせないエアコンの機能の種類と電気代、使い分け方についてみていきたいと思います。
結論:「冷房」も「ドライ(除湿)」も電気代は、ほぼ同じ!
冷房とドライで電気代はどちらがお得か、実際の機種で調べてみました。
メーカー/製品 | 冷房消費電力 | 除湿機能と特徴 | 電気代(冷房・除湿機能) |
パナソニック/エオリア CS-228CF(2018年モデル) | 635w | 冷房除湿 (リモコン設定温度までは冷房運転、その後弱冷房且つ湿気を取る機能。冷房運転と同等の消費電力) | 冷房:16.5円 除湿:約16.5円 |
日立/白くまくん RAS-AJ22H(2018年モデル) | 580w | ソフト除湿 (弱冷房除湿方式) | 冷房:15.1円 除湿:約15.1円 |
ダイキン/S22VTES(2018年モデル) | 570w | 除湿機能あり(弱冷房除湿方式) | 冷房:14.8円 除湿:約14.8円 |
※2019年7月現在、価格.comでの人気3モデルを使用。消費電力は各メーカーサイト記載の値。
※[消費電力(w)÷1000×26.00円×1時間]で計算。26.00円は、東京電力「従量電灯B」の第二段階料金。
※検証した3モデルに搭載されている除湿機能は後述の「弱冷房除湿」機能です。
上の表を見ていただくと、電気代は冷房とドライではほぼ電気代は変わらないことがわかります。「ドライの方がお得!」というイメージを持っていた方も多いと思うのですが、最近はほとんど電気代は変わらないようです。電気代に差がないのであれば「2つの機能の特長を知り、使い分けていく」ことがより重要になってきますよね?
では、ここからは、冷房とドライの機能の違いや使い分け方等について詳しく見ていきましょう。冷房とドライ、実はこの違いはそれぞれ「下げる」ものが違うのです。
1.なぜ、「冷房」は涼しいの?
「冷房」機能はイメージ通り、「部屋の室温」を直接的に下げる機能です。
エアコンが暑い室内の空気を吸い込み、エアコン内部で空気中の熱を追い出して、冷やすように働きます。そうすることで、空気の中から「熱」がなくなり、冷たくなった空気はまた室内に戻されます。
冷房 :部屋の空気の「室温」を直接下げる → 熱を追い出し、涼しくする
2.なぜ、「ドライ」は涼しいの?
通常の「ドライ」機能は「弱冷房除湿」という手法を取ることが多いようです。「弱冷房除湿」は「部屋の室温」と「部屋の湿度」の両方を下げることができます。
室温が高いと、空気は空気中にたくさんの水分を蓄え、この水分がジメッとして暑さを感じる原因になるのですが、ドライはこの空気中に蓄えられた水分を追い出し、同時に室温そのものも冷やします。この冷たくて水分が少なくなった後の空気を部屋に戻すことで、人が涼しく感じるようになります。
ドライ:部屋の空気の「湿度」と「室温」の両方を下げ、涼しく感じるようにする → 湿気・水分を追い出し、空気を乾燥(カラッと)させる
「ドライの方が室温も湿度も下げられるし、電気代も変わらないのでお得!?」と思うかもしれませんが、一般的に冷房の方が室温コントロールをしやすいことが多いのと、空気を乾燥させすぎてしまうと風邪の原因などにもなりますので、本当に湿度も下げたいときに使うのがオススメです。
ちなみに、ドライの中には「再熱除湿」というタイプもあるのはご存知でしょうか。
「再熱除湿」機能は、そもそも付いていない機種も多いので注意が必要なのですが、「再熱除湿」という手法では、部屋の室温を下げないよう、湿度だけを下げます。通常、ドライを行うと湿度だけではなく「室温も下がってしまう」のですが、室温を下げないためにわざわざちょうどいい温度に「再度温めなおして」から部屋に戻します。「再度温めなおす」必要があるため、電気代は冷房や弱冷房除湿に比べ高くなります。室温は下げたくないけれど、湿気を取りたい!というときや、寒さに敏感な女性や赤ちゃんにも優しい機能といえます。
3.まとめ
「冷房」も「ドライ(除湿)」も電気代は、ほぼ同じ!
「湿度」も下げたい場合は「ドライ」、「室温」だけを下げたい場合は「冷房」を使う
- 通常のドライは「弱冷房除湿」という手法で「室温」も同時に下がる。「湿度」だけを下げたい場合は「再熱除湿」を使う(付いていない機種も多いので注意)
エアコン機能を上手に使い分けて、この夏も快適に過ごしたいですね!!