ご消費電力の少ない「液晶テレビ」、色再現性の高い「プラズマテレビ」と言われますが、実際にどれくらい消費電力の差があるかご存知でしょうか?
今回は、プラズマテレビと液晶テレビの消費電力、電気代の違いについて比較をしてみました。
1. 検証に使用するテレビと消費電力
今回、参考にしたのは、HITACHIの下記の2つのモデルです。
プラズマテレビ | 液晶テレビ | |
型番 | ①Wooo P46-G07 [46インチ] | ②Wooo L47-G2 [47インチ] |
年間消費電力量※ | 202 kWh | 85 kWh |
年間電気代 | 5,454 円 | 2,295 円 |
消費電力 | 460 W | 108 W |
待機時消費電力 | 0.1 W | 0.2 W |
いきなり「年間消費電力量」と「年間電気代」という指標がありますが、これは特定の状況を設定して、電気代を算出しているようです。ただ、テレビの視聴時間はご家庭によって、かなり差があります。そこで、今回はテレビの平均視聴時間に応じた電気代を算出したいと思います。
2. プラズマテレビと液晶テレビの電気代
まず、1時間あたりの電気代を、消費電力から計算します。前章の表から明らかですが、プラズマテレビの方が4倍も電気代がかかるようです。
視聴中(1時間) | 待機時間(1時間) | |
プラズマテレビ | 約11.9円 | 0.0026円 |
液晶テレビ | 約2.8円 | 0.0052円 |
※ 1kWhの電気代を東京電力「従量電灯」の第二段階料金25.91円で計算しています。正確には電気使用量やお住いの地域によって異なります。
では、次に1日の平均視聴時間別に電気代を計算してみます。例えば、平均視聴時間が1時間の場合、残りの23時間は待機中の消費電力がかかるとして計算します。ご自身のライフスタイルに合わせた電気代を参考にしてみてください。
なお、1kWhの電気代がご家庭によって異なる、テレビの消費電力が異なる、などの理由からあくまで参考値としてご利用いただくことを前提にしています。
1ヶ月の電気代の差
平均視聴時間 | プラズマテレビ | 液晶テレビ | 電気代の差 |
1時間 | 359円 | 88円 | 271円 |
2時間 | 716円 | 171円 | 544円 |
3時間 | 1,073円 | 255円 | 817円 |
4時間 | 1,430円 | 339円 | 1,090円 |
5時間 | 1,786円 | 423円 | 1,364円 |
6時間 | 2,143円 | 507円 | 1,637円 |
7時間 | 2,500円 | 591円 | 1,910円 |
8時間 | 2,857円 | 674円 | 2,163円 |
9時間 | 3,241円 | 758円 | 2,456円 |
10時間 | 3,571円 | 842円 | 2,729円 |
11時間 | 3,928円 | 926円 | 3,002円 |
12時間 | 4,258円 | 1,010円 | 3,275円 |
年間の電気代の差
平均視聴時間 | プラズマテレビ | 液晶テレビ | 電気代の差 |
1時間 | 4,305円 | 1,051円 | 3,255円 |
2時間 | 8,589円 | 2,057円 | 6,531円 |
3時間 | 12,872円 | 3,063円 | 9,808円 |
4時間 | 17,155円 | 4,069円 | 13,085円 |
5時間 | 21,438円 | 5,075円 | 16,362円 |
6時間 | 25,721円 | 6,087円 | 19,639円 |
7時間 | 30,004円 | 7,088円 | 22,916円 |
8時間 | 34,287円 | 8,094円 | 26,193円 |
9時間 | 38,570円 | 9,100円 | 29,470円 |
10時間 | 42,853円 | 10,106円 | 32,747円 |
11時間 | 47,136円 | 11,112円 | 36,024円 |
12時間 | 51,419円 | 12,118円 | 39,301円 |
※ 1kWhの電気代を東京電力「従量電灯」の第二段階料金25.91円で計算しています。正確には電気使用量やお住いの地域によって異なります。
3. まとめ
比較表から言えることは、テレビを長く見る方にとって、プラズマテレビと液晶テレビで年間1万円以上の差が生まれることもあり得るということです(ご家庭の契約プランや電気使用量によって異なります)。
テレビをよく見る人は、電気代の差も考慮にいれつつ、ライフスタイルにあったテレビを選ぶと良さそうです。
- プラズマテレビの視聴1時間あたりの電気代は、約11.9円
- 液晶テレビの視聴1時間あたりの電気代は、約2.8円
- テレビの平均視聴時間に応じて、電気代の差は大きく異なる。長時間視聴する方の場合、年間1万円以上の差も!?
参考:プラズマテレビの基礎知識
日本では、2003年からの地上デジタル放送の開始によるテレビの買い替えに合わせて、ブラウン管テレビから薄型テレビへと切り替わっていきました。当時の薄型テレビの主流は「液晶テレビ」と「プラズマテレビ」です。これらは表示原理が全く異なり、液晶テレビは数インチの小画面から最大108インチほどの大画面まであり、プラズマテレビは32から150インチの大画面のものだけが製品となっています。その後2013年までにかけて、液晶の低価格化・技術向上・大画面化に伴い、プラズマテレビの衰退が進んでいるようです。有機ELなどの新しいパネルの研究開発が行われているものの、当面は液晶の優位が続くものとみられています。
参考:プラズマテレビの特徴
- 視野角が広い
- コントラストが高く、(液晶テレビに比べ)立体感のある映像を表現できる
- 「動画解像度」が高い
- 白面積が増えると画面の明るさを抑える働き(ダイナミックブライトネス制御)があるため、まぶしさを抑え、眼が疲れにくい
- ちらつきがない
- パネル割れが起こりにくい
- 寿命は輝度半減まで10万時間(ブラウン管の5倍)